2024.10.25
海の豊かさを守ろう
「指宿市山川の漁港に“アマモ場=海のゆりかご”を再生」の活動にMBC賞
今年5月31日にご紹介した「指宿市山川の漁港に“アマモ場=海のゆりかご”を再生」の活動(団体/山川町漁業協同組合)〈弊社も活動に参画〉が10月10日、MBC賞を受賞しました。この賞は地域社会の発展に貢献し、今後の活躍が期待される人たちに贈られるもので、57回目となる今年は、2つの団体と個人1名が受賞しました。
今回の「SHIROYAMA サステナラボ」では、その表彰式に「通称:山川の海のゆりかごを守る会」を代表して表彰された川畑友和さんから、これまでの活動や思い、活動への抱負などを語っていただきました。
〇山川町漁協青年部会 会長 〇JF全国漁青連 顧問
〇山川町漁業協同組合 理事 〇鹿児島県漁協青年部連合会 顧問
〇全国漁協青年部連合会 会長
アマモとは、光が届く浅瀬に生息する海の植物=海草(うみくさ)の一種
光合成により二酸化炭素を吸収して酸素をつくる点も、注目されるアマモ。近年水質を含めた環境の悪化、魚による食害などで、大幅に減少していることを憂慮して全国でアマモ場再生の取り組みが盛んになっています。
海の中のアマモ
「指宿市山川の漁港に“アマモ場=海のゆりかご”を再生」の活動
同じ頃、2003年12月、地球温暖化対策の国際的な枠組みパリ協定が採択され、 世界規模での「脱炭素化」がこれまでに増して叫ばれるようになっていました。
しかし川畑さんたちの活動は、なかなか漁業者だけでは解決できない問題を前に、行き詰まる日々。そんな中「ブルーカーボン生態系としてのアマモ場の再生」を学び体験する機会を得て、活動は大きく前進。さらに、鹿児島でも、昨年9月、山川町漁業協同組合や鹿児島県、山口水産、そして弊社などをメンバーとする「山川地区ブルーカーボンプロジェクト協議会」(通称:山川の海のゆりかごを守る会)が設立されました。その第1歩として、昨年秋に漁港近くの約5,000㎡を仕切り網で囲い、その一部に種をまいたマット20枚を設置しました。それから半年後、大きく育ったアマモを見て、メンバーから喜びの声が揚がりました。
アマモはイネ科の植物
山川漁港近くの海へマットを設置
大きく育ったアマモ
さらに活動は続く〈9.20アマモの種選別〉
11月には、アマモマットに値付けして海底に固定し、新たなアマモ場再生を図る計画です。
地道な作業は続く
選別したアマモの種子
海に森を造る活動をさらに進めたい‥‥‥と川畑さん
海は、水温や化学的性質、海流、生物を通じて、地球を人類が住める場所にする地球規模システムの重要な部分を担っています。また、海は漁業や観光業等などを通じて、人類の社会、経済的発展に不可欠な資源を提供しています。
実際に私たちは、海洋生物からたくさんの恩恵を受けています。人間の活動が及ぼす影響で、海洋生物が著しくダメージを受け、その多様性が失われると、海の中の豊かで複雑な生態系を維持することができなくなります。結果として、人間は海からの恩恵を受けることができなくなります。海洋が汚れてしまうと、海洋生物が生きていけなくなるだけではなく、私たち人類も生きていくことができません。
「とにかく、こうした海の状況をもっとみんなに知ってほしい。もっと目を向けてほしい」と川畑さんは熱く語り、最後に「人間は海から生まれたのだから」と話を結びました。
川畑さんはプロの定置網漁師
子供の頃から時を忘れて遊んだ海、大人になってもそこにあるだけで心を和ませてくれた海。それなのに、日々の暮らしに紛れて海への関心が少し遠くなっていることに気づきました。 私たちが当然のように海からの恩恵を受け、日々を過ごしていられるのも、川畑さんのような熱い思いの方々の活動があるからこそです。生命の源である「海」、大好きな「海」を 私たちも守っていきたい。そのためにはまず、海の現状に目を向けることが第一歩だと思いました。
SHIROYAMA HOTEL kagoshimaは引き続きプロジェクトに参画し、地域の環境に配慮した活動に取り組んでまいります。
協議会メンバー 中央のグッドサインが川畑さん (左から1人目)SHIROYAMA HOTEL kagoshima SDGs推進部 安川